人気のNFTは、なぜ高価なのか?
毎週1回配信
今回は、人気のNFTはどうして価格が高いのかについて考えてみます。
NFTの価値の正体
NFTの価値は、”需要と供給のバランス”で決定されます。
現代社会においての”価値”とは、お金に換算することができます。
通貨換算で、1万円や10万円などの数字で判断できるように可視化されています。
"愛"などのお金で換算できない、価値も、突き詰めてしまえば実は慰謝料のように金額で表現されてしまいます。
我々は、あらゆるものを無理矢理にでもお金という”数字”に変換できるようにし、それを交換可能にすることで、経済を成り立たせてきました。
この数字が高いほど価値があり、この価値は”需要と供給”により生み出されるのです。
例えば、大谷翔平がホームランを打った時のサインボールは、野球ファンでなくても誰もが欲しがるモノかもしれません。
しかし、誰も知らないマイナーな草野球チームのおじさんがホームランを打った際のサインボールは、多くの人達にとってはどうでも良い物なので、ごくわずかな数の熱狂的ファンのみが欲しがる代物でしょう。
同じ「野球のボール」のはずなのに、世界的に有名な大谷翔平と、無名の草野球チームの無名のおじさんのサイン付きホームランボールでは、欲しがる人の差(=需要の差)があり、その差が、価値の差となってくるのです。
そして、みんなが欲しがるサイン付きのホームランボールは、同じものは世界に二つと存在しないものです。
(何発もホームランを打てば沢山存在しますが、それでもかなり希少性の高いものであることには変わりませんし、その時のホームランボールは1つしかありません。)
需要と供給
これがまさに、需要と供給のバランスの話であり、今のNFTの価値の付き方も、これと同じ理屈と考えて大丈夫です。
在庫を定義できるNFTの技術で、需要はたくさんあるが、供給は限られます。
人気コレクションのNFTの場合、供給量に対して、需要が過大になる。
例えば、「10万人が欲しいのに、NFTのコレクションは1万個しか発行しない」とかだと、二次流通市場で買い手が付くため、一定の価値が保たれています。
大人気のNintendo Switchも発売当初は売り切れ続出で在庫がなく、メルカリやヤフオクなどで定価よりも高い金額で売買されました。
需要が高く供給が絞られている場合は、価値が高まるのです。
需要がどれくらいあるかを把握できると、供給量を適切に絞り込むことができ、一定の価値を担保することが可能です。
例えば、Nintendo Switchの場合、1,000万台売れることが事前調査で分かっていても、供給量を300万台にすることで確実に完売がなされ、購入できない700万人の過大な需要を作り出せます。
ゲームは、発売日に遊ばないと友達と楽しい会話できなかったり、早く体験したい焦りの気持ちが生まれるぐらい、すぐにでも欲しいと思わせる存在です。
これはNFTにも似た性質があり、みんなと同じタイミングで購入したNFTをコミュニティの中で一緒にPFPにすることで仲間意識が芽生えたり、のけ者にされない連帯感が生まれます。
※ちなみに、この感情は、NFT界隈ではしばしば「FOMO(フォーモ)」といったりして、「取り残されることへの恐れ」を意味する言葉として使われます。
このタイミングで"絶対に欲しいという需要"を、一気に高められます。
1万人が欲しいという需要を把握している場合、その内の1,000人に販売を絞り込むと何がおこるでしょうか。
そのNFTが絶対に欲しいと思っていても、一次販売では9,000人の方たちが変えないため、どうしても欲しい場合は二次流通市場で購入することになります。
そのため、需要と供給のバランスから考えて、価値が高まるのです。
NFTは在庫と供給量を定義できるところに、需要がどれぐらいたくさんあるかという”需要と供給”の関係で、”価値”が付いています。
ここに過大な需要と供給の絞り込みが起こったときに、NFTが高価な価値を持つのです。
今回は以上です。